秋の故郷へ。【感動と恐怖】


道場の虫籠2つを引っくり返して、入念に調べる。 

…ぉお…凄いな。 

役50匹程の【カブトムシの幼虫】達が。

凄い。 

一番、大きい数匹は既に、5センチを超えていそうな大きさに。 

小さいのが、うじゃうじゃ、いたが。(一番、小さいのは数ミリ程)

雌は確か、4、5匹しか混ぜていなかったはずだから、1匹の雌が、10匹の卵を産んでいた事になる。

午前4:00森林へ向かう。

一番、でかい雄を捕まえた場所に、幼虫達を逃がそうと決めていた。 

【良い匂いだな…】雨上がりの森林の匂いを沢山、吸い込む。 

森林の中で、写真を撮ろうとiPhoneを構える…

【…画面いっぱいに、人の顔の様な何かが写っている】事に気が付く… 

【なんだ これ…】

…ひっくり返りそうになるくらいに驚き、恐怖を感じた… 

暗闇の中で画面が反転? していたのか、自らの顔が写っていただけの事に、気付くまで数秒間… 

iPhone、本気で放り投げそうになったな…

【ふざけなんなよ…マジで…】と、何かに怒りを覚える。 

霊体験とか、けっこう平気な方だけど、深夜の真っ暗な森林で、それには、流石にビビった…

しばらく、全身の鳥肌が止まない。

気を落ち着けて、森林の真ん中辺りまで進み、大きな丸太を、ひっくり返した。(この夏、ここには沢山の昆虫がいた)

その場所へ、虫籠いっぱいの土ごと、大量の幼虫達を盛り付けた。 

彼らは、深い場所へと潜っていく習性がある。

【ここなら栄養が沢山あるし、間違いない】

そんな気持ちで、彼らを自然界へと戻す。

今年、沢山、楽しませてくれた【カブトムシ】の子孫達を無事に戻す事が出来た。 

【俺が雄を沢山、捕まえなければ、本当はもっと沢山、卵を産んでいたかも知れないな…】そんな気持ちも混ざる。

けど、何もしないよりは良い。(あの数を全て、虫籠で羽化させるのは凄く困難な為)

道場の虫籠には、【ノコギリクワガタ】【コクワガタ】の【雄】達のみが、まだ生きている。

気持ち的にも、スッキリした。

また来年も沢山、獲りに行けたら幸せだな。