ゴデルジ・カパナーゼ選手2。【全ての経緯】


11度目の出場となった無差別の全日本大会。

第48回全日本空手道選手権大会の初日を迎える。(2016/11/5) 

選手控え室から観客席アリーナの、一階席の裏を通り過ぎ、白コートの選手控え場所へと向かう。

体を冷やさない様に上着を着て時折り、シャドー、ストレッチを繰り返す。 

アップ後には、身体は常に軽く汗ばみ、心拍数を軽く上げた状態で、試合場に上がる事を心掛けている。

秋冬の試合場では、特に大切な部分となり、上手くいかずに、心身の固いままの状態で試合場に上がる事だけは避けたかった。 

冬場の寒い体育館だと、どんなにアップをしても、ひたすら動いていても、なかなか身体が温まらずに、上手くいかない事が、三十代の後半(38歳くらい)から年々、増えてきた事を感じる様になっていた事もある。 

東京体育館は極度な冷え込みも無く、むしろ心地良い常温を感じる為、アップを絶さなければ、試合時には身体は動くはずだし問題も無く感じていた。 

ロシア選手達の多くは、そんな中でも常に【ニット帽】を深く被り、更に【サンダルに靴下】を履いたまま、戦う一試合前までは脱がない。 

当然、上着も着たままでいる。

試合前日…自らも、コンビニで即席に【必要かな?】一応、ニット帽を購入してはいた。 

上着は常に羽織ったままで、アップも絶やさず試合に挑んだ。

…ニット帽を被るまでの寒さを感じなかった事と、少しの照れがあり、被らずで済ませていた。

【…外国人選手達みたいに、似合わないだろうしな】そうも考えた。

自分の髪型的には、絶対に冷える訳で、本来は、それくらいに徹底しても良いのかも知れない。

【白コート】で、一回戦が迫る頃… 

試合場の舞台へと上がる前に、選手達が控えている【赤白】の各コート。

一回戦を待つ自分と、カパナーゼ選手も同じ【白コート】が初戦となる。 

選手が控えるコート場では、試合直前の選手のみしか入れない様に柵が、二層式に設けられていた。 

試合舞台に向かう、最初の柵の囲いには、2名の選手達のみが入れるようになっていた。(この層では、この時点ではセコンドも入れない) 

更に次の、もう一つの柵を通されると【試合場舞台】へと、上がる選手のみが待機できる、待機場所と選手の花道へと繋がる。(ここには専属のセコンドも入れただろうか、覚えていない)

この部分は、赤白コートにより実際に異なり、決まりだったのかは解らない。

一回戦を迎える最初の柵前に…後ろから、自分よりも一つ前の試合に向かう、カパナーゼ選手が真横を通り過ぎた。 

本物の強豪選手としての凄まじい【オーラ】を身に纏っていた。

【…凄いな…これが今の、カパナーゼか】

極限の緊張状態の中、何度も横目で、彼を観察しながらも、カパナーゼ選手に視線がいってしまう。

最初の柵の中で、カパナーゼ選手が、ニット帽を被ったまま、こちらを向いたままの方向で椅子に座り、軽く目を閉じて瞑想をしていた。 

…当然、彼も緊張はしているはずだが、物凄く落ち着いて見えた。(彼を横目に、シャドーで身体を温める事に集中する) 

【2016/6/オールアメリカン大会】での初優勝を成し遂げていた、ゴデルジ・カパナーゼ選手。(この大会は毎年、海外の強豪選手達が集うトーナメントとなり、時には無差別の全世界大会に匹敵するレベルの高い大会として【プレ世界大会】とも称され、昔から知られてきた権威ある大会でもある)

2回戦で戦う事になるかも知れない彼を、間近で感じるのは、緊張と恐怖が伴ったが、同じ大会に挑み、同じ空間で戦える事を、物凄く幸せな事なのだなとも感じていた。 

一回戦へと挑む彼が【次の柵】を通される。 

選手は特に座らなくても良い為、座るつもりも無かったが、彼が数分間、座っていた椅子に自らも敢えて腰を降ろす。

【極真空手最強の外国人選手】と言われる、彼の温もりを感じてみたかった気持ちからだった。 

どんなに強くても、次に戦う、カパナーゼ選手を【同じ人間なんだと】感じたい気持ちが物凄くあった。

彼は自分にとって、偉大な存在であり続けた。

11年前の【初対決】では、(再延長戦5-0)で、自らが完璧に勝利を納めてはいた。 

しかし…その後の各国での、彼の激しくも【畏怖】を感じさせる圧倒的な強さに自分自身も、釘付けとなっていったのも事実だった。 

カパナーゼ選手が毎年、日本へと来日する事になる無差別の全日本大会では、彼は常に激しい強さを見せ付けながら【第44回全日本大会・準優勝】を納めてもいた。【第10回全世界大会・第3位】 【第5回全世界ウエイト制大会 重量級・準優勝】の実績もある。

【カパナーゼとは、現役の間に試合をする事は、もう一生、無くて良いな】

彼に関しては、同じ全日本大会へと度々、臨める機会があったが、そんな気持ちで毎年、過ごしてきた。(一度、勝ったままで良かったし、過去に試合をした時にも散々、効かされた、あの強烈な突き技を、もう貰いたくは無かった)

【もう戦いたくはない】【カパナーゼだけ、トーナメントで当たる場所に配置されないでいてくれ…】

無意識ながら、過去にそれは考えていた。 

自らにとって、ゴデルジ・カパナーゼ選手とはそんな選手である。

初対決した後に極真会館で、日本でも知れ渡るようになる、後の彼に対しては【尊敬】【憧れ】【畏怖】の気持ちしか無かった。

いざ、トーナメントが決まる。(第48回全日本大会)

【…人生の中で…生きている間に、カパナーゼと、二回も戦えるチャンスが来た】

この40日間、一時も忘れる事なく、不安以外にも、ひたすら考えて来た気持ちでもあった。

夏を過ぎた頃だったか…関西人である、長年の付き合いがあり、尊敬している、自分の親しい先輩から電話があり、空手の話しになった。 

『まだ(現役)やんのか?全日本出んの?(今年)』携帯から、懐かしく親しみのある大阪弁が聞こえて来た。 

『…はい、秋の全日本の切符は取れたので(8月の茨城県大会)…年々、歳をとりますし、一般選手としては年齢的にも、今の実力で戦える最後の全日本になるかも知れません』冗談半分でもあったが、無意識の中にある本心でもあったと思う。 

『また、ロシア来んのか?(全日本に出るのか)…お前はどうせ、いつもロシアと、やんのやから、もう最初から(一回戦)から【ダルメン】か【タリエル】辺りとやらせて貰え!』と、大声で豪快に笑ってくれた。

『はい、そうですね、初戦か2回戦(初日)が、ロシアなら、自分もダルメン辺りの選手と、全力で戦いたいです』と答える。 

年に何度か、先輩の豪快で懐かしい関西弁を聞くと、いつもヤル気が湧いてくる。

その先輩は、自分が以前に戦った、第42回全日本大会での、タリエル・ニコラシビリ選手【第10回全世界大会王者】との試合や、ダルメン選手の事もよく知っている。

『もう50(歳)まで、(一般選手権)で、やれや!      俺も(仕事)頑張るから、お前も、とことん、やれや!50までえ!(選手)』聞き慣れた関西弁で笑いながら言ってくれた。

一般選手権大会に出れる年齢が、50歳までと数年前に、極真会館で決められた事を話した時には、その様に、ツッコまれて笑われた記憶がある。

20年前に比べて、現在の選手達の【選手寿命】が、限り無く伸びている為、一般選手権大会への出場年齢は【50歳】までという決まりも、近年では出来ていた。 

勿論、とてもでは無いが、そこまではやれないと思うが【あと10年しか、一般で戦えないのか…】と、少し残念になる自分もいたりする。(壮年部の年齢制限の枠は何歳までかは、よく解らない) 

自らの現役選手としては、一般選手として終えられたらと考えている。

第48回全日本大会には、40歳以上に達している選手は、自分を含めて5名いたと思う。(トーナメント出場選手128人中) 

話を戻す。

【現在も明らかに世界トップクラスの実力を保っている、30歳のカパナーゼと、40歳の自分が果たして、まともに戦えるのか?】

過去の試合の中で、自分の人生の中でも、大一番の試合になると感じて、それに懸けるつもりでいた。

【まだ30歳で、全盛期の実力があるカパナーゼと、40歳の自分が今の実力で戦えるのも、御互いに交わえる最後の試合になるのではないか…】

そんな事をずっと考えていた。

それから、試合の10日くらい前からだろうか。 

【もしかしたら、カパナーゼとの試合で死ぬかも知れないな…】

そんなプレッシャーを勝手に感じてしまっていた。(20年以上を現役の選手として、実践で戦って来た中で、こんな事を感じたのも初めての事だったが、若い選手の内には逆に感じられない気持ちだなと思っていた)

【沢山の生徒達に空手を教えないといけないし、そんな事はある訳がない】と自分自身に言い聞かせて、繰り返し立て直していた。 

以上の経緯から来る、様々なプレッシャーを無意識に感じて、考えていたのだとは思う。

ただ…それぐらいに【危険な相手】でもあり、逆に腹を括れた部分と、その試合に命懸けで挑めた部分もある。

過去の試合実績と、現在の実力だけを考えただけであれば、とてもでは無いが、自分が勝てる対戦相手では無かったが【やるからには絶対に勝つ】という気持ちも湧いていた。

実際に試合では、何が起こるか解らないし、選手でいる以上は、負けると解っていても戦わないといけない事もあるという事や、だけども、やるからには必ず自分が勝つ可能性を信じた事、実際に戦う以外であると、対戦相手が当日に何かの理由で欠場する事だって試合にはある。(実際には、自分と戦う過去の全ての強豪選手達が欠場した事は無かったのだが)

【命懸けでやる】【自分らしい試合をしたい】と、本気で考えて、自らをひたすら鼓舞し続けていた。

そんな気持ちで過ごしながらも気付くと、当日を迎えて、初戦の1回戦を勝ち抜き、いよいよ、ゴデルジ・カパナーゼ選手(ロシア)との、11年ぶりの【再戦】へと挑める事となった。

ゴデルジ・カパナーゼ選手1。【再戦するまで】


今から11年前。  

第22回全日本ウエイト制大会の(軽重量級)2回戦で戦ったロシア選手。

その大会では、自らが一回戦はシードで、2回戦を初戦とした。 

一回戦を勝ち上がってきたのは、事前のトーナメントを知った時点で、自分で予想をしていた通りでもあった、ロシアの【ゴデルジ・カパナヅエ】選手だった。(ロシア選手達の強さは、それまでの試合で、対戦してきて実際に、彼らの強さを肌で感じていた為) 

当時【ゴデルジ・カパナヅエ】と呼ばれていた彼は、初戦を強烈な左下突きで、相手選手の腹を抉り、日本選手の動きを止めると… 

すかさず胴回し回転蹴りを放ち、日本選手を気絶させて一本勝ちをした。(翌年の全日本大会から、来日してくる彼を【ゴデルジ・カパナーゼ】【カパナーゼ】という呼び名で、日本国内で有名になっていく)

当時のロシア選手達は【胴廻し回転蹴り】で、日本選手を次々とマットに沈めていて、その技は彼らの【トレードマーク】的な雰囲気を帯びていた。

不気味な強さと、まだまだ本気を出してもいない様子で、あっさりと涼しい表情で一回戦を終えた カパナーゼ選手。 

【…強いな】と感じて、気を引き締めて、地下の控え室へと戻った記憶がある。(大阪府立体育館にて)

その大会の前年度(2004年)に行われた第36回全日本大会。 

当時28歳だった自分は、全日本大会2日目の3回戦でロシアの強豪、ダルメン・サドブォカソフ選手と対戦した。【後の第9回全世界大会 第4位・第46回全日本大会優勝・第11回全世界大会 第3位を納めている、ロシアの強豪選手】 

ダルメン選手とは、再延長戦の【7分間】を互角に戦い抜いて、体重判定にもつれた。(金久保82・3キロ)(ダルメン・サドブォカソフ選手85・8キロ) 

10キロ以上の差が無く、試合の勝敗は試し割り判定へと委ねられた。 

…試し割りの杉板【3枚】の差で、自分が敗退をする。(18枚‐21枚) 

翌年から、試し割りの枚数にも拘り、全日本ウエイト制大会、全日本大会では常に、23枚の試し割り枚数を割る様にもなった)

23枚を割ると、試し割りの勝負にもつれた場合に殆どが、勝てる枚数でもある為、その枚数に拘り、その後は失敗もしていない。

その時の、ダルメン・サドブォカソフ選手との試合内容を評価され、翌年の2005年に行われた【第3回全世界ウエイト制大会・軽重量級】の、日本代表リザーブに選出された。 

2005年度に行われた【日本代表選考合宿】では、各階級(4階級)で、日本代表への切符が争われ、2度の選考合宿へと参加した。 

自分は【軽重量級(80キロ~90キロ)】のカテゴリーで、自らを含めて国内の8人が選ばれていた、軽重量級のリザーブ選手達の中から【1枚の代表への切符】を懸けて、選考合宿へと参加となった。 

結果…日本代表には選ばれずに、リザーブで終わる事となる。(この階級1枚の切符は、前年度の全日本ウエイト制大会の軽重量級王者の森村選手が取得)

2度の過酷な、日本代表選考合宿を経験していた自分は、確かに強さを増したと、自分自身も感じ取れた記憶があり、それを自信に、その年の全日本ウエイト制大会で、ゴデルジ・カパナーゼ選手との対戦を迎えた。  

当時19歳にして既に、ヨーロッパ選手権大会の(軽重量級)で優勝していた、ゴデルジ・カパナーゼ選手。(その大会の準決勝戦では、日本でも既に強豪選手として知られていた、後の第38回全日本大会 第4位となる、クリストフ・ハブラシカ選手を破って、ヨーロッパ選手権を優勝していた)

カパナーゼ選手との初対決は…(再延長戦5-0)で、自らが勝利を納めて舞台を降りた。 

舞台を降りると、再延長戦を終えた試合の、あまりの苦しさに、酸欠で気絶しそうになり、近くの観客席に、ふらふらと座り込んでしまった記憶がある。 

試合後、次の3回戦までに、しばらく心臓に痛みを伴う程に、苦しい消耗戦だったのを覚えている。

3回戦は、190センチの長身選手の小暮選手に(本戦3-0)で勝利を納めて翌日へと勝ち進んだ。(初戦の消耗戦を終えた後の、この試合では息も上がらず)

当時のダルメン・サドブォカソフ選手、ゴデルジ・カパナーゼ選手との試合を、8年近く前に、自らのブログで当時の心境を綴った記憶がある。

どちらの試合も、最中は厳しい試合だったが不思議と、ダルメン・サドブォカソフ選手との試合は、7分間を戦い抜いても苦しさはあまり感じなかった事を鮮明に覚えている。 

無傷で初日を終えて、全日本大会の2日目だった事で、初日よりも身体が解れて調子が上がる2日目となる為からだと思う。 

28歳という全盛期の若さも勿論あったかとは思う。

それよりも、翌年の大阪で対戦をした、ゴデルジ・カパナーゼ選手との試合は、初日の自らの初戦でもあり、緊張や、初戦での心身の固さも加わり、本当に苦しい試合になったのだと思う。 

その時には29歳の自分は、おそらく現役選手として、肉体的な強さだけであれば、そこが全盛期だったのかなとも思える。

紆余曲折を経て、それから11年… 

現在、極真空手【最強の外国人選手】と呼ばれている、ロシアの、ゴデルジ・カパナーゼ選手【第10回全世界大会 第3位・2016オールアメリカン大会 優勝】との再戦となった今大会…(第48回全日本大会)

先々月の9月25日辺りだったかと思うが、11月に迫る【第48回全日本大会】のトーナメントを知る。

初日の初戦と2回戦で当たるのは誰か…と、トーナメントにある、自らの名前を追う。 

【ゴデルジ・カパナーゼ】その名前が目に入る…

当時、戦った試合の苦しさと、それからの彼の11年間の世界各国での強さや、試合実績を考えると、一気に心身が強張るのを感じた。 

その時には気持ちの上では、直ぐに腹は括れた。

【カパナーゼと、また戦えるかも知れない…】【選手生活での大一番の勝負になる】 

そんな気持ちになり、その日は興奮で眠れなくなり…知人へ、カパナーゼ選手への想いと、今大会に懸ける意気込みを打ち明けた。 

【カパナーゼと戦えて、その試合で、もしも納得の出来る戦いが出来たら、もう現役選手を引退でも、構わないくらいの気持ちで試合に挑みたい】

そんな事を、知人へと打ち明けたかと思う。

勿論、実際に引退をしようとしていた訳ではないのかも知れないが、それくらいの【覚悟】でないと、とてもでないが、心境的にも、まともに戦える相手では無かった。 

【ロシアのスナイパー】と恐れられ、日本では、ゴデルジ・カパナーゼ選手の強さを知らないでいる、極真会館の日本選手や、関係者はいないかと思う。

いざ試合が決まれば、みんな腹を括るのかも解らないが、正直…最初からは、誰もが彼とは好んでは対戦をしたくは無いと思う。 

それくらいに激しい強さと怖さを兼ね備えた、本物の強豪外国人選手だと自分は思う。

それから…全日本大会を迎えるまでの40日間、寝ても覚めても、カパナーゼ選手の事で頭が一杯だった。

考えていない、時間帯も曜日も無かったと言い切れる。

試合が近付くにつれて、その緊張は更に増していった。 

【今のうちに楽しい事をしておこう】【映画を観に行こう】【遊んでおこう】 

そんな事ばかりを考えながら、日に日に、第48回全日本大会が、近付いて来ていた。 

稽古は徹底的に追い込み、気持ちも空手の技も充実はしていた。 

稽古で確かな何かを感じないと、不安で仕方が無かった。 

【こんな稽古で良いのか?…40歳になる自分が、30歳でもある、現在の世界のトップ選手の、カパナーゼと、まともに戦えるのだろうか…】

勿論、自らが初戦を勝ち抜かなければ、彼と対戦をする事も出来ないが、いざ、試合になれば、そんな事を考えずに、自分の実力なら、今回の初戦は、8月の茨城県大会で対戦していた相手でもあり、当たり前に勝ち進むと自信もあったが、勝負は何が起こるか解らない為、やるべき事をやり【絶対に油断と慢心をしない事】だけを考えてはいた。

9月から、カパナーゼ選手とは戦うと決めていた。 

それに向けての、次なる迷いとプレッシャーが加わる事となる。

試合に挑むにあたり、様々な不安要素が浮かび上がってきた。

極真会館 第48回全日本空手道選手権大会 全日程 終了。


極真会館 第48回全日本空手道選手権大会2日目が終了。(写真=3回戦、中村昌永選手(兵庫・大阪南支部)との対戦前の多田将太朗選手)

応戦して下さった、関係者の皆様方、有り難うございました。 

■第48回全日本空手道選手権大会  


多田将太朗(城西世田谷東支部・東大和道場)




ベスト32進出。(128人で行われた、極真会館、第48回全日本大会)

2回戦では【2016オールアメリカン大会 第3位】アントニオ・トゥセウ選手(フランス)から、試合終了間際1秒…起死回生の、左上段廻し蹴りによる、技ありを奪い、今大会、注目選手でもあった、世界クラスの強豪外国人選手から、大金星を挙げて2日目に進出。

3回戦では、全日本ウエイト制大会【2階級制覇】をしている、中村昌永選手(兵庫・大阪南支部)と対戦し、熱戦を演じながらの、判定敗退となるもの、極真空手での幼年部、少年部世代から継続された、今後の極真空手においても、確かな可能性を感じさせる、新世代の空手を具現化して見せた。

第48回全日本大会 初日を終えて。【今の気持ち】


11月5日(土)…第48回全日本大会を終える。

生徒の多田将太朗君が、フランス王者でもあり、2014ヨーロッパ選手権大会 中量級王者の実績がある、アントニオ・トゥセウ選手を相手に、見事に勝利を納めた。

アントニオ・トゥセウ選手は、今年6月に行われた【オールアメリカン大会】においても無差別で、第3位を納めている、25歳の、伸び盛りの強豪選手でもある。

身長184センチ、体重82キロの、体格から繰り出される、多彩な蹴り技により、対戦相手からは、技あり、一本勝ちも多く、強豪外国人選手の一人として、今大会でも注目をされていた。

【とにかく迷わない事】【格上の対戦相手な訳だし、相手の出方を観たり、上手くやろうとしたら、確実にやられるから、死に物狂いでやれば必ず、何とかなるはずだから】と、試合前の控え室で彼に伝える。

『押忍、解りました…』と、将太朗君からは覚悟の表情が読み取れた。

大舞台へと上がる、まだ19歳の多田将太朗君。

…常に先手先手で、世界の強豪へと果敢に攻め立てる。

時おり、長い脚から放たれるトゥセウ選手の強烈な上段による、内廻し蹴りが彼の側頭部を巻き込む。

トゥセウ選手の上段膝蹴りが、将太朗君の顎の近くを、すれすれに飛び交う。(上段膝蹴りは、見えなかったですが、たまたま、当たらない位置に来たので、何とか大丈夫でした…)と、試合後に彼が話した。

中盤から、トゥセウ選手が強打と圧力で前に出てくる。

強烈な打撃と圧力に一瞬、止まる将太朗君だが、すかさず得意の突き技の連打を、トゥセウ選手に浴びせ続ける事を止めない。

トゥセウ選手が明らかに嫌な表情をしているのを、控え室近くの【モニター】を通して感じ取れた。

【将太朗…いけるぞ、勝てるぞ】と、思いながら、青木さんと一緒に夢中でモニターを眺めた。

トゥセウ選手も最後は、全く退かないが将太朗君の突き技の回転も更に上がっていく。

そして、試合終了間際のラスト1秒…と同時に、将太朗君の渾身の、左上段廻し蹴りが、トゥセウ選手の顔面を捉え、よろつく、アントニオ・トゥセウ選手。

決して【まぐれ】では無かったと確かに感じていた。

彼には、その実力があり、世界の強豪選手を相手に完璧な勝利を納めて、難関を突破してみせた19歳の多田将太朗君。

彼の勝利を、モニターを通して凄く喜んでいた青木さん。

自分も、本当に嬉しかったのと、【…あと、○○試合後には、俺の試合が来るな】と、気持ちを高める事に再び意識を集中させる…

【…今回、もしも納得がいけば…現役の選手は、もう引退でも構わない】と、この一ヶ月と10日程を、本気で考えながらも、ひたすら恐怖に感じてきた、【極真空手最強の外国人選手】との再戦が、刻一刻と迫っていた。

明日の、全日本大会を終了してから、今回の対戦相手への想いや、過去からの経緯を綴れたらと思います。

【試合には負けてしまい、意味はないのかも知れないけど…また、月曜日から、自信を持って子供達へも、空手の指導が出来るな…】

自らの中では【納得】のいく答えだったと感じます。

初出場となる全日本大会で、強豪外国人選手から大金星を挙げて、二日目に進出した多田将太朗君。

明日、二日目の初戦 (全日本大会3回戦)では、全日本ウエイト制大会の(中量級、軽重量級)で【2階級制覇】を成し遂げている、中村昌永選手(兵庫・大阪南支部)との対戦となります。

強豪ベテラン選手でもある、中村昌永選手に対して、若手で勢いに乗る、多田将太朗君の快進撃に期待が掛かります。

2日目に勝ち残った多田将太朗君と、彼のセコンドを努めてくれた、細川大吾君。

細川大吾君は、自分のセコンド役も同時にこなしてくれていました。

三茶の青木さんは、長い付き合いでもあり、毎試合の朝のアップから全てを協力してくれています。

色々、本当に有り難かったです。

試合後の、【 青木様のダメ出しの御時間 】を経て…誰も居なくなった、東京体育館アリーナ客席を通り過ぎ、負けた後の気怠く、重くもある荷物を引き摺りながら、階段を登り、体育館入り口へと向かう。

森善十朗選手、伊藤慎支部長のみが、舞台上で、明日のルール説明の、仕事の打ち合わせをされていた。

…大変だなと思いながら、静かに東京体育館を後にしようと、入り口から外に出ると…(既に…17:30分を過ぎていた)

荷物を片付けるのを、モタモタしていた為、青木さんにイライラされながらも、東京体育館の会場を出ると…

…数名の人影が…(全く気付かず、通路の網を潜ろうと、迷っていると、青木さんに『先輩…何やってんすか!…こっちすよ!』と、キレられる。

すみません…青木さん。

その先には、なんと…佐野先生が目の前にいた…(田無の三島さんも一緒にいた)

『…有り難うございました』(佐野先生には、今大会の自らの意気込みを、試合一ヶ月前から話をしていた)

その後、聞かれた質問にも素直に答えたつもりだが、何を話したかったか、何を話したかも、あまり覚えていない。

『佐野先生、誰か待っているんですか?』と暗闇の中で、本心で尋ねた…

『そこまで送ろうと思って(東京体育館から千駄ヶ谷駅まで) 金久保が出て来るのを、待っていたんだよ! …  カパナーゼ、どうだった? …内股を蹴っていたけど、金久保の膝は大丈夫だったのかい?』と、いうような話をされていたかと思う。

誰もいなくなった東京体育館の入り口前で、待っていてくれた佐野先生。(あれだけの人がいて、大きな会場から、最後に出て来るか等、解らない中で、自分が身支度を済ませて会場を出るのが一番最後となり、1時間以上は、掛かっていたかと思う)

『佐野先生、火曜日(ミーティング前)の朝練はやりますか?』と、別れ際に問い掛ける。(佐野先生が必要であれば、火曜日からやれるし、当たり前に、やるつもりで問い掛けた…)

『…火曜日は休みます! … 少し(稽古を)休みなよ! 』と、笑顔の佐野先生が、自分に促してくれる。

【…あぁ、休みなんだな…】と、率直に感じた事と、改めて、佐野先生の優しさや、日頃からの、人間的な色々な、大きさを感じさせられた事や、その大きな心に感極まっていた。

青木さんや、細川大吾君も色々と本当に有り難うございました。

応援して頂いた皆様方、本当に有り難うございました。

【現役は最後にする】【命を懸けて挑む】【やるからには何が何でも勝つ】と、本当に、一心不乱に挑めた試合でもあり、それを観に来て下さった方々には、本当に感謝しています。

神代さん、馬場さん、太田さん、涼介君、丸川みのりさん、宮本さん、世田谷東支部の皆様方、応援をして頂き有り難うございました。

カパナーゼ選手との試合の、セコンドに入って下さった真銅先生、小林龍太君、多田将太朗君、細川大吾君、青木さん、加藤先輩も有り難うございました。

負けてしまいましたが… 本当に、命懸けで戦えたとは思います。

…2回戦敗退でしか無いのですが、今やれるべき、それまでに、やるべき事は全て、精一杯にやって来れたと、自負しています。

協力してくれた方々へ、感謝の気持ちばかりです。

今年は、実践の試合へ出場する事は、第48回全日本大会で最後としますが、次の目標に向けて、精進出来ればと思います。

忙しい中、試合を観に来てくた、長年の親友にも感謝しています。

試合後に、舞台裏の選手控え場所の、柵の前まで、親友が挨拶に来てくれていた。

本当に楽しんでくれた様で、それは、とても嬉しかった。

試合後の舞台裏で、カパナーゼ選手と再度、握手をした際に、ロシア人である彼と、自らの片言の英語で、話をした直後には、親友が話し掛けに来てくれていた。

カパナーゼ選手との、ほんの少しの会話は、タイミングかあれば後々に綴れたらと思います。

舞台上…舞台裏でも…試合場以外では、凄く優しい人なのだなと、直ぐに感じ取れた瞬間でもあった。

19:00帰宅後、ウエイトトレーニング。

■永吉美優選手【2016極真祭 全日本空手道選手権大会 一般女子 無差別級】において【日本人女子史上初】となる現役高校生での優勝を果たす!!




■2016,8月20・21日(土・日)京都府立体育館で、《2016極真祭 全日本空手道選手権大会》が開催されました。

2日間に渡り【小学生・中学生・高校生・壮年・一般女子】各カテゴリーの日本一を決める戦いが繰り広げられました。 

2日目に開催された、2016全日本空手道選手権大会【一般選手権女子・無差別】のトーナメントにおいて、城西世田谷東支部・東大和道場の永吉美優さんが出場しました。

そして極真史上、歴史的快挙となる、現役高校生による、一般選手権《全日本大会・女子無差別》の優勝を成し遂げて日本女子の【頂点】へと登り詰めました。

■2016全日本空手道選手権大会【一般女子無差別】《試合結果》

優勝/永吉美優(城西世田谷東支部)

準優勝/砂川貴蘭(東京城北支部)

第3位/小田幸奈(広島県支部)

第4位/島田慧巳(本部直轄浅草道場)

永吉選手は昨年、2015全日本大会では、準決勝戦へと勝ち進み、同大会で優勝した田中千尋(北大阪支部)選手を相手に、本戦は優位に試合を進めながら、追い詰めたもの、延長戦においては、惜しくも判定敗退を喫しての第3位を納めていました。

第3位決定戦では、【全世界大会・軽量級王者】太田菜月(総本部)選手を相手に本戦判定勝利を獲得。

高校生ながらも、その限り無い可能性と、激しい強さを見せ付けて【日本の若きエース】としての実力を堂々と証明してみせました。

【端整なルックスと、果てしないポテンシャルの高さと、本物の実力】で、極真空手女子の宝として期待され、メディアから高い注目が集まる中、更に結果を残していく事となります。

2015年11月の国際青少年大会では、【高校生女子・ユースエリート無差別】のカテゴリーでは、見事に連覇を成し遂げて、2016年4月の【全世界女子ウエイト制空手道選手権大会】の切符を取得しています。(この大会では国際大会での5連覇を達成)

それと同時に、一般女子の、2016全世界ウエイト制大会【日本代表】入りを果たす事となりました。

迎えた2016全世界ウエイト制空手道選手権大会【中量級】のカテゴリーでは、見事に第4位入賞となります。  

現役高校生の、一般選手権での全世界大会入賞は、日本人初の快挙達成となりました。

全世界大会7度の優勝を誇る、アナスタシア・クリプノワ(ロシア)選手との準決勝戦での延長戦に到る激闘は、歴史に残る名勝負を展開しました。 

初戦となった準々決勝戦で勝利を収めた永吉選手が後に…

【過去、最強の強さを感じる対戦相手だった…】

そう語った、ヨーロッパ選手権でも数々の実績を誇る、超強豪、マリア・ビラ選手(ウクライナ)とも、延長戦にもつれる激しい消耗戦を展開しました。(延長戦5-0優勢勝ち)

その大会では、永吉選手を破り【全世界大会では通算8度目】の優勝となった、アナスタシア・クリプノワ選手(ロシア)よりも、更に強く感じたという、準々決勝戦で対戦したレベルの猛者達が次々と出てくる。 

【それが世界…】

世界の猛者達とも、互角に渡り合い、その猛者達の強さを実際に体感して、試合経験を積んでいた永吉選手には…

今大会…死角が見当たらなかった… 

1回戦はシード。 

初戦となる準々決勝戦では、1回戦を勝ち上がってきた強豪選手を、磐石の強さと、確実に効かせる組手で完封する。(本戦5-0優勢勝ち) 

続く準決勝戦では【2016全日本大会・軽量級王者】小田幸奈(広島県支部)選手をも、見事に完封して、決勝戦へと駒を進める。(本戦5-0優勢勝ち)

迎えた待望の決勝戦。 

永吉選手の対抗馬として、ベテラン選手でもあり、絶対的な優勝候補だった【2016全日本大会・重量級2連覇王者】【2015全日本大会・無差別級王者】【2015全世界大会・無差別級3位】の田中千尋(北大阪支部)選手が今大会、欠場の中… 

並み居る、強豪ベテラン選手達を次々に撃破して勝ち上がってきた強豪、砂川貴蘭(東京城北支部)選手との決勝戦。 

前に前に、出て来ようとする対戦相手に終始、真向勝負をしながらも、常に主導権を握り続けて試合を終わらせる。(本戦5-0優勢勝ち)

幼き頃、空手を習い始め…長い年数を、ひたすら日々精進を続けて、念願として掲げてきた…【一般女子全日本大会の無差別級】での優勝… 

極真空手の歴史を変える事となる【日本人、高校生女子初の快挙達成】… 

前人未踏の新たな領域へと踏み出した永吉選手。

高校生最後となる大会で、見事に一般無差別の全日本大会をも制覇。

今後の永吉選手には更なる高みである【全世界大会優勝】への期待と注目が集まります。

果てしない可能性を秘めた、日本の若きエース。

それと同時に【最強の女子高校生】と呼び名を寄せられてきた、永吉美優選手。 

一般女子 全日本空手道選手権大会  無差別級での優勝おめでとうございます。 

《写真=準々決勝戦,準決勝戦,決勝戦の3試合》

■2016一般女子・全日本空手道選手権大会【無差別級】

優勝 

永吉美優【城西世田谷東支部・東大和道場】

《2016茨城県空手道選手権大会 JOSOカップ 東大和道場 出場選手 速報 》



■小学6年生男子初級チャレンジの部(無差別) 

優勝

《石河ローレンス・クリス 》

黄色帯の選手と激しく打ち合うが、常に最後に蹴りまで繋げていく戦いぶり。パワーで前に出ながら、蹴り技が光る。(本戦4-0優勢勝ち)

続く準決勝戦も激しい打ち合いとなる。後半、蹴り技までの有効打を重ねながら攻め勝つ。(本戦4-0優勢勝ち)

迎えた決勝戦、体格が一回り大きな強豪との対戦、必死に打ち合う。(本戦0-2)で延長戦へ突入、気合いで前に出ながら、蹴り技まで繋げる。最後まで勢いと技が落ちない。(延長戦5-0優勢勝ち)劣勢だった本戦から、逆転の優勢勝ちにより、組手試合での初優勝へと輝く!!

■中学1年生男子上級 JOSOカップの部(無差別)

第4位 

《坂本元輝》

1回戦、茶色帯の選手を相手に打ち合いとなる。突きからの膝蹴りの有効打を重ねる。更に下段廻し蹴りを効かせて本戦5-0優勢勝ち。続く準決勝戦、茶色帯1級の強豪との対戦、手数、足数とも多少、少ない、必死に打ち合うが本戦0-5による判定敗退。

続く第3位決定戦も強豪との対戦、一進一退の激しい打ち合いとなる、中盤、対戦相手による右上段廻し蹴りの技ありを奪われてしまう、必死に上段を狙いにいき、技ありを取り返そうと打ち合う。惜しくも時間切れ。(本戦0-5判定敗退)打ち合いの内容自体は、五分五分だっただけに、本当に惜しい…

中学1年生男子上級 JOSOカップの部(無差別)

《土方蓮斗》の初戦、前回大会の優勝者との対戦、激しい打ち合いとなるも、相手選手の手数、技の回転が目立つ…最後まで打ち合うも本戦0-4判定敗退。(惜しかった)

■2016茨城県空手道選手権大会 JOSOカップ(一般選手権・無差別)

第3位 

《金久保典幸》

1回戦、小島延斗(東京城東)選手と対戦、本戦4-0優勢勝ち。 

準々決勝戦、三井啓一(栃木県南)選手との対戦、本戦5-0優勢勝ち。 

準決勝戦、磯崎太一(茨城県常総・ひたちなか)選手【第23回全関東大会 準優勝】との対戦、顔面殴打の減点1による反則敗退。

第3位決定戦、江面健人(茨城県常総・ひたちなか)選手との対戦、本戦4-0優勢勝ち。

《2016茨城県空手道選手権大会 JOSOカップ 試合結果》


■小学6年生男子初級チャレンジの部(無差別) 

優勝!! 

石河ローレンス・クリス 


■中学1年生男子上級 JOSOカップの部(無差別)


第4位 

坂本元輝


■2016茨城県空手道選手権大会 JOSOカップ(一般選手権・無差別)

第3位 

金久保典幸

応援ありがとうございました。

炎の名勝負編2。【大躍進 第24回全関東大会】



■第24回全関東空手道選手権大会 
《小学5年生男子-35キロ級》 
大坪航【4回戦進出・ベスト8】

彼は東大和道場へ、出稽古に来るようになり早々、3年間が経過した。 

2016年の2月からは、少年部クラスへの出稽古以外にも、週に一度のペースで、パーソナル稽古にも取り組んで来た彼。

毎回、見違える程の変化を繰り返して来ていた。 

彼は、今までの関東大会では、2回戦進出が最高だったが、今大会では、4回戦進出の(準々決勝戦)へと勝ち進んでいた。 

最近のパーソナル稽古でも、更に格段の進歩を感じていた。 

【今まで以上に、当たり前に勝ち上がるかも知れないな】

そんな事を予想して感じながらも、試合後に、彼から話を聞き、あまり驚きはしなかったもの、やはり、とても嬉しかった。

意味のある物として、俺のパーソナル稽古が、彼にとって、効果が出て来て良かったな…と、そんな気持ちになった。

今回の彼の、初戦の相手も、数々の実績がある強豪だったのだが、彼は磐石の戦いぶりで本戦5-0優勢勝ち。

続く2回戦では、初戦をシードの、長身選手を相手に、ここでも本戦5-0優勢勝ち。

迎えた第3回戦…彼の対戦相手は、今年2月に行われた、2016西東京都大会重量級の優勝者、新関心元選手。(軽量級の選手ながら、2月の西東京都大会では、重量級を制覇していた)

昨年は、毎回常連優勝の国際大会王者、山本選手を破り、全関東大会王者に輝いていた選手が新関選手だった。(過去の国際大会での入賞者でもある)

格と、実力で言えば、航君が勝つのは、確かに難しさはあった。 

【新関君には、上段廻し蹴りの技ありを取れて勝ちました…】

彼が、全ての試合後、サブアリーナにいた自分に挨拶に来てくれた。

『…あぁ、4回戦まで行ったの? 準々決勝?航、凄いじゃん! 』

そんな、やり取りをした記憶がある。

彼は3回戦で、超強豪で、今大会の優勝候補の一角、新関選手を見事に破り、準々決勝戦まで勝ち進んだとの報告をしてくれた。 

『…パーソナルで、先生と何度も、稽古していた技が、入った…』と、彼が嬉しそうに話していたと、お母さんが話してくれました。 

【まぐれではなくて、今の彼の実力だな…】

そう、感じた。

彼は、準々決勝戦で、今大会での準優勝の強豪、星選手に敗退するもの、あのレベルの高い、カテゴリーの中で、トップ選手達の領域へと、確かに近付いた事を、実践で証明して見せた。(今回の第24回全関東大会の優勝者は、山本選手)

彼の次に、やるべき事を、いくつか伝えた。 

いずれ、本当に凄い選手になるかと感じる。 

彼にとっては、東大和道場の同学年達を、今までも、高き壁として目標に頑張って来た経緯があり、中でも、鈴木嵩人君の事を、彼は尊敬している。 

【鈴木嵩人君が最強】と、常に考えていて、彼にとっては国際大会王者達よりも、鈴木嵩人君の存在の方が、遥かに大きいとの事。 

大坪航君は、今年4月の支部内交流試合の【5年生特選クラス】では、第3位決定戦を勝ち抜いて4試合を戦い抜き、大激戦区のカテゴリーで見事、第3位に入賞している。

その時の優勝者が、鈴木嵩人君。(東大和)

準決勝戦では、鈴木嵩人君に、上段膝蹴りで、合わせ1本敗退。(ここで、嵩人君には、2度目の敗退となった)

一方の嵩人君は、その大会では、全ての試合を、技あり【6つ】の、オール一本勝ち【一本勝ちを3試合】での、支部内5年生特選クラスでの優勝を遂げている。

混沌としてきたカテゴリーでもあり、強豪達が集う。【5年生特選クラス】

国際大会トップの優勝候補を見事に破り、勢いを付けた、大坪航君。 

東大和の同世代達にとっても、今後、更なるライバルの一人として、確実に育っていくはずで、彼の急激な躍進から、目が離せなくなりつつある。

■2016世田谷東支部内交流試合 5年生特選クラス(無差別)第3位。 

■2016静岡県大会 優勝。 

■2016第24回全関東大会(5年生-35キログ級)ベスト8。(4回戦進出)

東大和道場に、ひたすら、一生懸命に通ってくれている彼。(1週間を、一年中、稽古しているとの事)

一生懸命に、努力を積み重ねている生徒なだけに、これからも、更に強くさせてあげたいと思う。

《第24回全関東空手道選手権大会 試合結果》


■一般男子新人戦(体重無差別)


優勝!! 

細川大吾 

《関東大会初出場にして、一般男子新人戦のカテゴリーの部で見事、優勝を勝ち取りました。4試合を圧倒的な強さで勝ち抜いた細川大吾君。全ての試合で、強烈な突き技と下段廻し蹴り、中段廻し蹴りで、全ての対戦相手を完封して見事、頂点へと上り詰めました。一般部になり、本格的に空手の稽古に取り組んでからは、現在まだ1年半という異例の速さでの成長と、躍進を続けている細川大吾君。昨年の支部内交流試合で高校生無差別を優勝。2016年4月には、支部内交流試合の一般クラス無差別を優勝。抜群の基礎体力と格闘センス、豊富な稽古量を生かしながら、今回の全関東大会【一般男子新人戦】の部においても、見事に優勝に輝きました。現在、3大会を無敗の連覇となりました。更に経験を重ねて、次の目標とする【一般選手権】へと、レベルアップを目指してきたいところです。優勝おめでとうございます。》

■第24回全関東空手道選手権大会 一般選手権

ベスト8《多田将太朗》

■中学1年生男子−50キロ級

ベスト8《土方蓮斗》

■小学4年生女子の部

ベスト8《平石千賀》

■壮年40歳以上44歳以下男子−80キロ級

ベスト8《神代慎一さん》



出場した選手の皆さん、お疲れ様でした。 

《2016第5回・城西世田谷東支部内「型」交流試合 試合結果》



■征遠鎮・壮年特選の部 

勝利者賞!!

宮本朝延さん

【昭島道場の田中さんとの、見応えある迫力満点の型試合、素晴らしかったです。一進一退の試合ながら宮本朝延さんが、判定勝利を納めました。(2-1判定勝ち)数々の型試合を経験してきた宮本さん。8月には(極真祭)の全日本型大会へ挑みます。】

■撃砕大・壮年上級の部 

優勝!! 

宮本泉美さん

【壮年上級の部では、宮本泉美さんが見事に「優勝」を遂げました。(支部内の型試合では、中級型のカテゴリーを合わせて、2度目の優勝となります)組手試合にも度々、挑戦してきた方ですが、組手試合においても規定の勝利数を達成して、先月の審査では、見事に2級審査(茶色帯)にも合格しています。8月には(極真祭)全日本型大会にエントリーしています。】

■平安1・小学4・5・6年生の部 

第3位!!

小柳潤

【彼は過去に、第1回城西世田谷東支部内・型交流試合で優勝。   今大会では小学4年生ながら、4・5・6年生混合のカテゴリーで見事に、第3位に入賞。(今大会では第3位決定戦を含めて、合計4試合を経験)日頃から後輩達の御手本になり、優しい彼ですが、支部内型試合では、今回3度目の入賞となりました。そんな彼は組手も強い。いつも幼い後輩達を優しくリードしてくれながら、色々と手伝いをしてくれる。稽古回数も多い生徒で、直向きなので、次は秋の支部内の組手試合で念願の【初優勝】を目指したい。(過去、支部内の組手試合では第3位を、2回経験している)】

■太極1・小学1年生の部 

準優勝!! 

太田涼介

【空手を習い始めて、まだ数ヶ月。白帯ながらも、オレンジ帯以上の先輩達を相手に、トーナメントでの4試合を経験。3試合を勝ち抜いて、見事に準優勝へと輝きました。素晴らしい事です。明るい性格の彼は日頃の稽古でも全てに、ひたすら全力で取り組める才能があり、今後が本当に楽しみな逸材です。10月には、初の組手試合も視野に取り組んでいけたらと思います。とにかく真面目で前向き。彼は本当にここに尽きます。】

東大和道場から出場した13名の選手の皆さん、お疲れ様でした。 

応援と引率に来られた御父兄の皆様方、有り難うございました。