…気付いたら、また2時間ほど、時が経つのを忘れて無心になり探していた。
【今日は肌寒いし、いないだろうし、気分転換に15分だけ、綺麗な空気を吸いに行こう…】
そう決めて森林に向かう。
するり、目的地へ進みながら木々を眺めては、ライトを照らす。
【…ブブブン! パラパラパラパラ! 】
木々の、ずいぶん上の方で、何かが飛ぶ音が、あちこちに聞こえている。
【…カブトだ…】(音だけで、他の昆虫との違いを、聴き別けられるようになった)
【あちこちにいるな…】
木から木へ飛び移る羽の音に、気持ちが高ぶる。
樹液がある場所には、ちらほらいた。(もう少し日が経つと、更に深夜の樹液には昆虫が増えてくる)
涼しいし今日は樹液にはまだ、ちらほら。
…何かに気付く。
実は…木から木へと飛ぶ、外灯の光に引き寄せられ飛ぶ、道路を挟み、別の森林へと飛ぶ【カブトムシ】【クワガタ】が、目的地に辿り着けずに、アスファルトに落ちる。
よく道端を観ていると、何かが動いている…
【…カブトだ、うわ、でけー!】(ひっくり返っている事が多い事を知る)
そして…キリが無くなっていった…
何回も遠くまで行き、また戻ると、また落ちている…
時に車に轢かれて、死んでいるカブトムシや、クワガタ。
それらは、平たいアスファルトに、背中から落ちると、その殆どが自らの力では再び、起き上がれなくなる。
たいていは何故か、裏返しの背中から落ちてしまうようだ。(重みからかな…とか思うが、やがて車か自転車に轢かれてしまう)
何匹、拾ったのか…途中からは覚えていない。
俺が拾ったのは全て、空から落ちてきたばかりの、元気な大きくて立派な雄達ばかり。
ノコギリクワガタもいた。
綺麗な赤い背中をした、カブトも沢山、捕獲してきた。(真っ黒のも、赤いのも好きだな)
雌をまた、一匹だけ持ち帰る事にした。(基本的に雌は逃がしている)
興奮で鳥肌が立ちながらも、無我夢中で行ったり来たりしていた。
木の下や、土の中、樹液の場所を探すだけでは無い事も、改めて実感した。
本当にキリが無くなり、最後には、ぐったり疲れるまでになる。
尻いてー。
沢山増えたし、もっと巨大な虫籠を買って来ようかな。(子供達に見せよう)
涼しくて快適だったな。
深夜の森林は更に空気が良い。