4月に行われた2014国際大会での生徒の激闘について。
3月の国際大会で昨年の国際大会王者をガチンコの真っ向勝負で打ち破った荒木拳三君は4月の国際大会では確実に入賞以上、優勝を視野に入れていました。
確実に勝ち上がるかと思われた矢先、相手選手が放った上段廻し蹴りによる技ありで無念の判定敗退を喫する東大和少年部のエース…。
3時年生の強豪、鈴木嵩人君は2回戦で今大会での優勝者に敗退。
5年生軽量級の強豪、雨宮伶空君は3回戦で接戦の末に強豪に敗退。
そんな中、5年生重量級で一人の生徒が鬼神のごとき強さでトーナメントを勝ち上がる。
全ての試合を圧倒的な本戦5-0での優勢勝ち。
中には75キロはありそうなモンゴルの巨漢選手を強烈な突きと下段廻し蹴りで圧倒した試合もありました。
余りにも強かった…。
その選手は東大和少年部の核弾頭、杉浦翔君。
確実に優勝も圏内に入る強さだった。
入賞を控えた準々決勝戦。
パワーのある強豪を序盤から圧倒的に攻め立てる。
「強い…間違いなく勝てる」
そう感じていました。
翔君の強烈な突きと下段廻し蹴り、下段内股蹴りで動きが止まる対戦者。
明らかに嫌な表情を浮かべながら防戦一方の対戦者、当たっているか当たっていないかも解らない攻撃で、金的か顔面を抑え、さいさん倒れ込みうずくまる。
翔君は注意1をとられる…。
『下突きに切り替えろ!外の下段のみで良い!』と指示を促す。
国際大会入賞を目前に、更に勝ち急ぐ翔君。
ラスト30秒を切り、突きの連打や更に技の回転を上げる、彼の攻撃的過ぎる様子に焦りを感じ始めました。
「いや、この流れなら大丈夫、勝てる…」
そう感じた試合終了間際1秒、相手選手は胸元の突きを散々 叩かれて効いていたかと思うと、何故か喉元を押さえて試合を中断したかと思ったところで、試合終了の小豆が飛んできた。
正面を向かされ、判定の瞬間に改めて注意1を促され、合わせて減点1を宣告される翔君。
旗判定は減点1による0-5で判定敗退…。(減点1は、例えにすると上段での技ありを奪われるに値する)
準々決勝戦敗退…ベスト8。
判定の瞬間、自分も余りの悔しさに声を上げて頭を抱えたかと思います。
ノリに乗っていた彼はあのまま勝っていたら優勝も圏内の強さではあった。
…あんなに悔しい 納得のいかない負けがあるのかと。
そう思いましたが、勝負の世界にはそれが起こり得る出来事の一つでもあります。
試合に負けて泣き崩れる翔君。
あんなに強かったのにと自分も本当に悔しかったです。
過去に自分自身も彼と同じ負け方を何度か経験しています。
世界選抜での全日本ウエイト制大会での4回戦で2回。
関東大会での準々決勝戦、準決勝戦で一度ずつありました。
悔しさを知るだけに、彼のあの試合は本当に残念でした。
ただ、国際大会の舞台で、ベスト8であの強靭な強さを見せ付けた彼は、今年9月の支部内特撰クラスでは、周囲を寄せ付けないダントツの優勝、2週間後の9月の城西カップも圧倒的な強さで優勝を遂げています。
国際大会の入賞を目前に、ベスト8に終わった彼の悔しい試合ではありましたが、彼本来の強さを証明した大会の一つでもありました。
彼は来年、小学校生活最後の国際大会での優勝を目指しています。