2014ベストバウト。《その4》

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2014年度,試合結果《荒木拳三》

■2014(2月)西東京都大会 5年生 重量級《優勝》【4試合を圧倒的な強さで本戦決着。決勝戦では2013国際大会の重量級王者に完封勝利(その強豪には5度目の対戦にして初勝利に成功)】

■2014(4月)初出場となった国際青少年大会【優勝を視野に、初戦を危なげなくクリア、徐々にエンジンを上げていくかと思われ、イケイケで2回戦に挑むも、勝ち急ぎ過ぎたあげくに強豪にまさかの上段廻し蹴りで技ありを奪われてしまい無念の2回戦敗退…(試合後、上段に対する意識を更に高めて、その重要性を再確認する)】

■2014(7月)第22回全関東大会《第3位》【躍動感溢れる破壊力で勝ち上がり、準決勝戦では2014国際大会の重量級王者を相手に本戦は互角、延長戦まで追い詰めて勝利まであと一歩に迫る】
(延長戦0-4)

■2014(8月)極真祭 全日本青少年大会 重量級《ベスト8》【準々決勝戦では、その大会で優勝した超パワーファイターの強豪を相手に互角の内容で(本戦1-0荒木拳三がリード)激しい一進一退で延長戦までをフルに戦い、主審の判定2-3で大接戦の末に惜しくも入賞は逃すもの、最初の大きな山でもあった2回戦では、2014国際大会の軽量級王者を延長戦4-0で破る金星を上げてのベスト8進出】

■2014(9月)第12回城西カップ《優勝》【彼よりも大きな体格の選手達を相手に決勝戦を含めての3試合を磐石、圧倒的な強さで優勝を飾る。(全て本戦勝利)】

■2014(10月)第16回静岡県大会《優勝》【決勝戦を含めて3試合を国際大会出場経験者達との戦いを制しての、優勝、4月に国際大会で上段を奪われて敗れた国際大会第3位の強豪との再戦では延長戦の末に見事にリベンジに成功する(延長戦5-0)(本戦1-0で荒木拳三リード)

■2014(12月)秋季関東大会《優勝》【2014国際大会第3位の強豪、2014国際大会現王者、第22回全関東大会王者を次々に破り、何と5試合の全てを本戦決着による勝利で関東大会での初優勝を飾る】

彼は2014年には、7大会に出場しました。

そのうちの5大会での入賞、優勝が4回と全国区に荒木拳三旋風を巻き起こしました。

彼らの関東大会以上のカテゴリーでは、国際大会のトップ選手達に勝たないと結果を残す事が出来ない大激戦区にあります。

そんな中で今年の拳三君は、昨年と今年の3人の現国際王者に輝いた選手達を見事に破りました。

少年部の大会であのレベルの大会を次々に制覇していく事が如何に大変な事か。

彼は東大和道場の少年部のエースとしての自覚を持ちながら、この1年間を毎日、必死に稽古に取り組みました。

ここぞという時の爆発力とパワー、豊富なスタミナ、激しい躍動感、稽古や試合でも、とことん戦える高いモチベーションを保てるメンタルの強さが彼の持ち味です。

そんな彼の強さを支えている1つは毎日の道場での、たゆまぬ努力です。(用事や風邪以外では週に7日間を道場で当たり前に稽古します)

そして何よりも空手を大好きでいる性格が最大の持ち味の1つ。

明るく前向きな彼も、低学年の頃から強かった訳ではなく稽古ではそれこそ毎日の組手で、強い先輩達にやられては、本当にいつも泣いていました。(強い女の子にも常に泣かされていた)

泣いて道場を飛び出しそうになる事や、稽古で納得がいかない時には1人で卑屈になり、時に物に当たったりした事もあり、見兼ねた自分が道場から摘まみ出すくらいに厳しく叱った事もありました。

ただ彼の更に良いところは気持ちの切り替えがとにかく速い部分です。

厳しく叱られた翌日には何事も無かったかの様に、すっかりまた笑顔で道場に来てくれて当たり前に稽古を繰り返す毎日でした。

今は茶色帯になり6年生にもなり、少年部達の良きリーダーでもあり、皆を爆笑の渦に包んでしまうムードメーカーでもあります。

稽古では常に皆を引っ張る立場にあり、また彼自身もそれを理解しながら、責任感と自覚を持ちながら自らの稽古に励んでいます。

そんな彼は来年4月からは少年部を卒業して中学生になり、正式に一般部に移ります。(現在も時々、一般部で稽古を積んでいます)

少年部に、彼がいなくなる事を今から凄く寂しく思いますが、次の拳三君に担うリーダーの活躍を期待しています。(東大和の今の5年生達も半端でなく激しいです)

荒木拳三君の小学6年生としての彼の2014年は、まさに飛躍の年でもあり素晴らしい活躍の数々にありました。 (やはり彼の責任感が凄かったです)

現在の彼は2015年には彼自身が、初の国際大会王者を目指して毎日、ひたすら厳しい稽古に取り組んでいます。

自分が東大和に来た時期に彼はまだ春に2年生に成り立てで、青帯になったばかりの時期でした。

まだ支部内の初級で3位の実力だったのを覚えています。

自分が指導する稽古内容を『楽しい!先生の稽古!』『もっとやりたい!』『先生、僕、黄色帯になるにはどうしたらいいですか?』

毎日 明るく元気な彼の様子がありました。

当時、道場の隣のマンションに住んでいた彼は毎回、稽古の始まる1時間前には1人で道場に来ていました。

道場でウエイトトレーニングをする自分に、バランスボールに乗りながら毎回色々、話し掛けてきた姿が印象的です。

彼は当時から空手を大好きでしたが、決してセンスを感じる生徒では無かったです。

器用不器用で言えばむしろ、不器用だったかも知れません。

自分が来た後に毎日の厳しい稽古に励み、迎えた最初のビギナーズカップ。

破竹の勢いで勝ち上がり、6試合を戦い抜き準優勝になりました。(決勝戦では黄色帯の選手を相手に、主審の旗による0-3で敗れましたが、内容は普通に勝ちにも見えました)

その時に感じたのは、本番に凄く強く、稽古以上の物を当たり前に出せるという事。(選手にとっては、一番大切な才能の1つになる部分です)

それからも日に日に強くなり、先輩達には毎日やられたりを繰り返しながら強くなり始めました。

その後の支部内の特選クラスでは、無敵の強さで4連覇を達成します。(荒木拳三君は強すぎるし、支部内に出したらダメでは?というような議論もありました)

昨年の秋の関東大会では第3位と、大きな舞台での初の入賞を遂げて無事に支部内交流試合も卒業しました。

彼は関東大会以上の試合で入賞を逃して負ける度に、翌日には『支部内から、もう一度やり直します』と自分に話してくれました。

結果を残せない以上「支部内で結果を残すまで戦う」東大和では自分が常に皆にそうさせて来ました。

特選クラスでの入賞者以外は今も生徒達を関東大会以上の試合には出していません。

負けても連日の稽古で泣いていても腐らずに、ひたすら前向きに取り組んできたのが今の荒木拳三君です。

体格は既に成人男性くらいに大きくなりました。

あと1、2ヶ月で、自分の身長も抜かされてしまいそうです。

彼は将来的には一般選手を目指しているそうです。

もし長く続けられて本当にそうなれば、自分が20年間を選手として到達出来ずにいる一般選手権での数々の夢を叶えてくれる選手へと確実に成長するかと信じています。

東大和道場の荒木拳三君とはそんな生徒ですが、自分は前向きに毎日頑張る彼を可愛くて仕方がありません。

選手として先をひた走る、彼の先輩でもある永吉美優さんに続く期待の逸材なので今後も長く続けて貰いたいです。

拳三君にも沢山チャンピオンになって貰いたいです。