2016極真祭。【2日目 舞台裏】


試合場での極限の緊張の中でも、過去に無いくらいに、精神的には充実をしていた。

アップも絶好調、表情や心身ともに、ヤル気が伝わってきた。 

試合中も…7月の全関東大会よりも遥かに洗練されて、充実ぶりも窺えた。 

【…落ち着いているな…今日は絶対にいける!】

そんな期待感を漂わせていた。 

結果的には初戦敗退となるも、今までの中では、更に次に繋がる進歩を、確実に感じていた。

試合前のアップ場で、彼に全力で身体を叩かせ、アップをしていると…

『…いやー、凄いね(彼)…あと何年かしたら、お父さんの肋骨を、へし折ってまうな…』

『…あははは…』と、笑顔で、取り敢えず返す。 

試合場で、彼に連れ添う、父親と間違われていたようだ。 

【…?】何の事やら、気にもしていない、彼の様子。

真剣にやらないといけないし、見たままに、それだけの様子で良いし、それで良いと思う。