■一般選手権(体重無差別)
準優勝
多田将太朗【城西世田谷東支部・東大和道場】
2016年3月には大学受験を終えた多田将太朗君。(素晴らしい大学へ、無事に進学を果たす)
『5月の静岡県大会【浜名湖杯】に出場しても宜しいでしょうか?』
彼からの申し出がありました。
『遠いので、もしも、セコンドが無しでも大丈夫です…これから一般選手権に出るにあたり、沢山、試合経験を積んだ方が良いのかなと思いました…』
謙虚な様子で、そう話していた将太朗君。
『了解。 それなら今から本当に、急ピッチでやらないといけないね。』と、彼に伝えました。
その後から本当に、急ピッチの稽古内容へと取り組み始める。
連日の道場稽古、一般部を2クラス終了後には更に自主トレ。(ウエイトトレーニング、サンドバッグや、ミットでの追い込み稽古、補強稽古)
休みの日には、自主トレにも励む。(走り込みの追い込み稽古と、補強稽古)
週末土曜日には、東大和道場で2時間以上の連続組手での厳しい稽古。(2分30ラウンド以上の、ガチンコの組手稽古を、時には倒されても、下段やボディを効かされても、弱音を吐かずに、ひたすら必死に頑張っていた)
日に日に、自信を積み重ねて来ました。
彼は、大学受験期間中も、定期的に汗を流しに、一般クラスへも稽古に来ていました。
全ては、大学受験を終えた後の、一般選手権大会を見据えての積み重ねを考えながら。
…少年部時代からの長年のキャリアを経て、大学受験前に、最後に臨んだ高校生大会から、2年半のブランクが空いていた今大会。
【2016東海地区空手道選手権大会 浜名湖杯】
初戦に組まれた対戦相手は、歴戦の大ベテランでもある、モイセイエフ・セルゲイ選手。
モイセイエフ選手は過去に、愛知県大会等で優勝連覇の試合実績と、長年に渡る全日本大会への出場等、経験豊富なベテラン選手であり、昨年は若手の軽量級ホープ(全日本大会軽量級第4位)の実力者を退けて、愛知県大会でも見事に準優勝へと返り咲いた、古豪の大ベテラン。
【初の一般選手権への出場では、さすがに、まだ、セルゲイ選手には敵わないのでは…】
周囲から、そんな空気が漂う中、試合開始早々に、そのポテンシャルの高さを、遺憾無く発揮し始める、多田将太朗選手。
若さ溢れる躍動感と、アグレッシブな組手。
明らかに相手を倒しに掛かる、攻撃的な組手スタイル。
長いリーチを生かした、強烈な前蹴りと突き技の連打、破壊力のある下段廻し蹴りの連打で、ベテラン選手を圧倒する。(本戦4-0優勢勝ち)
時おり放たれた、その上段前蹴りは、意識が飛んでもおかしくない程の、強烈な打撃だった。
優勝候補のモイセイエフ・セルゲイ選手を、見事に完封すると、続く準決勝戦では、巨漢選手を相手に更に圧倒。(本戦5-0優勢勝ち)
迎えた決勝戦。
善戦しながら、惜しくも判定敗退となるもの、今大会での戦いぶりは、今後の可能性を大いに感じさせる、素晴らしい試合内容となった。
2年半ぶりとなる、実践での組手試合へと挑む。
初の一般選手権への出場(体重無差別)となる大会において、見事に準優勝を獲得。
それと同時に…
2016年11月には、千駄ヶ谷の東京体育館にて行われる、【第48回全日本空手道選手権大会(体重無差別)】の、出場権利をも獲得してみせた。
様々な実践の組手試合を経験しながら、秋には、更に大きく化ける事を目標に。
多田将太朗選手の、新たな挑戦が始まる。