タリエル・ニコラシビリ選手との対戦。

101230_183540.jpg

昨年の、第42回全日本大会にて対戦した4冠王者、タリエル・ニコラシビリ選手との試合について書きます。

昨年は試合前の稽古での、モチベーションも全快でトーナメントが決まり、早くニコラシビリ選手と戦いたくて仕方ありませんでした。

今騒がれているヨーロッパ、ロシア王者がどれだけ強いのかと。
6月の全日本ウエイト制大会でも、同じ階級でしたが、彼が断トツで優勝していたので近くで観ていてスタミナ、パワー、気持ちの強さ、若さの勢い、さすがに強いなと。
非常に穴がない選手で、どうやって戦うのか、崩せるのか…全日本大会前にビデオを観ながら試行錯誤しました。

結果、打ち合いをするしかないと腹を決めましたが、過去のロシア選手と戦ってきた時のような玉砕的な戦い方はしないと決めていました。

最近のテーマでもあり、場面によっては打ち合うのは前提なのですが、相手の出方を観たり、技に反応したりする戦い方を心掛けているのもありますので、いきなり突っ込んだりはしませんでした。

今思えばですが、勝ち負けは別にして過去に用いた玉砕戦法の方が もう少し自分の持ち味が出たのではないかという思いもあります。

とにかく崩れるイメージが、わきにくい選手ですが実際に戦ってみて、予想していた以上に強かったのが感想です。

荒削りな印象もありますが 実際は上手さや、強靭なパワーで、相手の持ち味を消してしまうテクニックがありました。
感覚的には、自分の実力を60%くらいしか出させて貰えずに試合を終えたという印象です。

下段の威力は日本人にはない破壊力でした。

試合で足を効かされた時はありませんが、彼が放つ下段への一撃を膝上に、放り込まれた瞬間『これは何発も貰えないな!』というぐらい強烈で一瞬、脳まで響くような痛みが走りました。

絶妙なタイミングと角度で貰ったのは その一撃だけでしたが 他に数発貰った下段も重く鋭く、後は必死に技を返していきました。

パンチも想像以上のパワーで強引に、コンビネーションを入れてきますが なかなかリズムも読みにくかったです。

ラスト30からは 煽られて、いっぱいいっぱいのまま本戦が終了したという感じでした。

倒される怖さというよりは、強引なパワーで嵐のように攻め立てられる止まらいラッシュが嫌なイメージでした。

泥試合をさせてくれない上手さと豪快なパワーのある選手だなと思いました。

昨年の全日本大会は、まさに不完全燃焼という言葉がピッタリでした。

今まで対戦してきたロシアのトップ選手達の中でも、上手さを含めた物やパワー、総合的な強さだけでいうなら1番強かったかなと思います。

攻撃力だけで言うなら過去に2メートル115キロのロシア選手が1番あったような気もしますが、威力の質は多少違いますが、ニコラシビリ選手も小柄ながら、その巨漢選手に匹敵する程の破壊力があったのではないかと思いました。

過去42回の無差別全日本大会の歴史の中で、初めて外国人選手が優勝してしまった大会でしたがストッパーとして、もう少し彼を苦戦させたかったなと思います。

次に もしも戦う機会があれば今回よりも強引に玉砕覚悟で、突っ込んでみたいなという思いもあります。

そこで また負けたとしても今回とは違う感触と展開、また その次に繋がる何かが見えるのではないかと思います。

無差別の全日本大会を、優勝してしまう外国人選手の力を知れたのも財産です。

押忍