今日の少年部では引越しの都合や、他にやりたい事が見付かり空手を辞める生徒達を送り出しました。
5年生の黄色帯のS君は6年間空手を頑張りました。
最後に色々な話しをしましたが、彼が長年一生懸命頑張ってきた空手での経験は今後も他の事にも必ず役に立つと思います。
1年半程前に組手が嫌いだから『空手を辞めたいです』とお母さんと道場に来たのを自分が止めました。
組手以外の稽古や道場の仲間は好きだと話す彼に『スパーリングはやらないでいいし、好きな稽古だけやりなさい』
と伝えて彼に空手を続けて貰いました。
優しい性格の彼は本来、人を叩いたりしたくないのですが、その他の空手の稽古は好きなのでその後も一生懸命道場に通いました。
しばらくすると元々、真面目な彼は力も付いて明らかに強くなりだしました。
『試合に出てみたい』と彼は手をあげました。
そして、支部内交流試合に出ると、過去に一度も勝てずにいた試合で初めて勝利も収めました。
2回戦は負けましたが、気持ちは一歩も退かない素晴らしい内容でした。
試合後に彼が話してくれたのは『あの時に空手を辞めないで続けて良かった』
『稽古を頑張って試合で一回でも勝てた事がとても嬉しい』と笑顔で話してくれました。
その後もマイペースに道場での空手を楽しんでくれましたし、後輩達に優しい彼は頼られる先輩であり続けてくれました。
最後に自分や皆へきちんと挨拶をして、長年の空手への想いと皆への感謝の気持ちを語る彼にとても感動しました。(最後の稽古も本当に頑張りました)
緑帯のS君や白帯のRちゃんは皆に惜しまれながら 最後の最後まで頑張って稽古をしてくれました。
自分も凄く寂しいです。
彼らは移転先でも極真空手を続けていきます。
いつか東大和道場へまた戻ってきて貰いたいです。
東大和で学んだ心身で、次の道場でも更に強くなり、また仲間達を驚かせて欲しいです。
S君兄妹とお母さんから手紙を頂きました。
有難うございました。
強くなって欲しいです。
帰るS君に、緑帯のK君が『S、また一緒に稽古しようぜ!!』と手を振ってくれました。
自分は真面目に取り組む生徒達が大好きです。
違う事は違うと正してあげる事も自分の仕事です。
目を瞑って、彼らをただ気持ち良くさせてあげる事や、叱る事を避けて無難にやり過ごす事は決して本当の優しさではありません。(大人の世界でもそれは同じですし自分は物事に対しての信念は常に貫くようにしています)
自分は来てくれている生徒は全員が好きです。
そんな話を最後に彼らにしました。
彼らに話したのは『何かに困っているのなら、自分の心や気持ちを理解して、嫌な事は嫌だと相手にきちんと伝えられる事』
『考えている事をきちんと相手に伝えられる強い心を鍛える事』
『その為に厳しい稽古を毎日繰り返して弱い自分と向き合い、自分に強くなる事を道場で学んでいる』
それを皆に話しました。
2クラスともに厳しい稽古になりました。
少年部の生徒達の組手は鬼気迫る凄まじい様子です。
自分は試合に勝たせる為だけに子供達に空手を教えていません。
試合をしたいのなら、いくらでも挑めば良いです。
ただ出るからには勝負には拘らないといけないです。
忘れないで欲しいのは『相手があるから出来る事であり、一緒に稽古をしてくれている仲間達に感謝の気持ちや礼節を決して忘れない事』
『自分の心理状態は、立ち方や礼の仕方や、一発の突きや蹴りにも全て現れ、それが相手にも全て伝わる』
『道場に来たら、どんな心理状態でも条件は皆同じで、来たからには全てに対して真面目に取り組まないといけないよ』
そんな事を話しました。
子供達は厳しく激しい稽古をやり終えた後にしか響かない部分も確実にあります。
稽古は楽しい物です。
厳しい部分と向き合えて、それが強くなる為に意味のある物だと幼い子供達には無意識に理解が出来るんです。
自分も彼らの年代から少林寺拳法や極真空手に携わりました。
先生や先輩達は厳しかったですし、全てを受け入れられなかったり、人に対して好き嫌いはあったかと記憶しています。
しかし今となると当時の厳しい先生や先輩には感謝しきれない気持ちがあります。
東大和の子供達にとって、また一般部の皆さんにとって意味のある物に出来たらと常に考えています。
自分が長年続けてきた空手や選手としての経験と生きてきた様々な経験は、生徒達へ伝える価値は確実にあると信じています。
それが今の自分の仕事です。
土曜日には三軒茶屋道場から新しい生徒達が出稽古に来てくれる予定ですので少年部の皆は是非来て一緒に手合わせをお願いします。