《きたえる3》。(東大和道場での夏休み短期講習)

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昨年の夏前ぐらいから東大和道場へ出稽古に通っている三軒茶屋道場のW君。(出稽古に来てくれるようになり、1年以上が経ちました)

彼は毎年、夏休みの自由研究に空手に関してのレポートを学校に提出しているようです。(昨年同様に今年も彼の夏休みレポートには空手の稽古の様子が書かれています)

明日も出稽古に来てくれるそうです。

先日 彼が出稽古に来てくれた際に、自分に渡してくれたアルバムレポートを紹介します。(今年は第3策目)

素晴らしいレポートだと思いました。(写真はレポートのほんの一部ですが内容は以下となります、東大和の内容を沢山書いてくれていました)

《わざをみがく心をみがく》

はじめに

ぼくは、空手を始めて今年で4年になります。今年の夏は わざ、とくに しあいの時に必さつわざになるものを練習して上手くなり、じっさいにしあいでそのわざを決めることと心をきたえることをテーマにがんばってみることにしました。

《わざをみがく》

ぼくが、好きな わざは後ろ廻しげりと下づきとひじうちです。

〈なぜすきか、いいところ〉

(1)後ろ廻しげり
スピードがついているので、当たるとい力が強いから。
大きいあい手に近づきやすいから。

後ろ廻しげりと見せかけて、べつのわざにきりかえられる。

(2)下づき

あい手にこうげきが入るかくりつが高い。
ダメージが大きく、きかせられる。

(3)ひじうち
フェイントとしてつかってほかのわざでこうげきできる。

《わざのせつめい》(全ての写真はここでアップ出来ていないのですが東大和で撮影した写真も載っている)

(1)後ろまわしげり

かかとが相手のおなかや太ももに当たるときく!

こつ

バランスをとる。
回てんスピードをはやくする。ねらいをさだめる。(三茶での組手で後ろ廻しカカト蹴りを組手に決めている写真が載せられている)

(2)下づき

こつ

こつばんの回てんのスピードをはやくする。手だけでうたないで、体ぜんたいをつかって、うつ。

(3)ひじうち

こうげきとして→(写真)

フェイントとして下づきにつなげる→(写真)

こつ

フェイントに使うときは、タイミングを考える。 自分にすきがてぎないように気をつける。

《わざをみがくために》

たくさんけいこする。
スパーリングの中でつかう。
イメージトレーニングをする。
い力を強めるためにきんトレをする。
見とりげいけをする。

《三げん茶やのけいこ》(写真あり)

《心をみがく》

心をみがくということをかんがえてみました。
ぼくがおもう強い心は

・おれない心

・あきらめない心

・がまんする心
です。

《ぼくの弱い心》

あきらめてしまう時がある、あい手がすごく強いとき、メチャクチャのボコボコにやられたとき、心がおれてしまう。
あまえている気もちがある。

《どうしたらいいか》

つらいけいこもがまんしてがんばる。
強いあい手にも立ちむかう。
しあいにちょうせんする。
自分をしんじる。
それから、もう一つお母さんにたよりすぎず1人でがんばることをしてみようと思いました。

ぼくは、ふだんは、三げん茶やのどうじょうでけいこをしています。強くなるために時々東大和の道場に出げいこに行っています。
夏休み5日間のたんきこう習があるので、1人で通いなさいとお母さんに言われました。
東大和は、ぼくのすんでいる三げん茶やから1時間半ぐらいかかるところにあります。

電車をのりかえて遠いところまでいきます。
それから、金久保先生がすごくきつい、きびしいけいこになると言っていたのでぼくはとても心ぱいになりました。
1人で行けるのかな…まちがえた電車にのっちゃったらどうしよう…体がもつのかな…。
いやだな、行きたくないなと思っているうちにその日がきてしまいました。

《8月12日1日目》
行きだけ、お母さんに後ろからついてきてもらいました。(三軒茶屋からの写真があり)

12時15分に家を出ます。
しぶ谷まで地下てつで行って山手せんで高田馬場でおりて、西ぶしんじゅくせんにのりかえます。(写真あり)

高田馬場から急行拝島行にのって35分です。
のる電車をまちがえると大変なことになります。
やっと東大和のえきにつきました。(写真あり)

少し歩いて道場につきました。
入り口で先ぱいに会いました。(雨宮伶空君)

けいこはきつかったけど一生けんめいにがんばりました。
けいこがおわって、アイスをいただきました。ぼくは、ちゃんと帰れるかしんぱいでそのままリュックに入れて帰りました。よるの7時半に家につきました。アイスはドロドロにとけていました。 本当は食べたかったです。

《8月13日2日目》
きょうから本当に1人です。お母さんは朝からしごとでいません。
12:15に家を出ました。高田馬場までは、ふつうに行けました。
えきのお店で1Lのお水をかいました。
お母さんに教わった13:05の急行にのりました。
電車の中では、本を読みました。 どうじょうについた時、うれしかったです。 本当に1人でこられたんだなぁと思いました。

4時間きついけいこをしました。
大和のたんきこう習では、毎日しあいをします。今日ぼくは負けてしまいました。帰り道山手せんにのっていたら、いつまでもしぶやにつかなくて、おかしいなと思ついたら反たいの電車にのっていました。

うぐいす谷でのりかえて家についたのは夜の8時でした。つかれました。

《8月14日3日目》

少しなれてきました。今日もがんばりました。またしあいに負けてしまった。あと2日、なんとかがんばります。

《8月15日4日目》

今日も一生けんめいにけいこした。
だけど、しあいに負けてしまった。
くやしくてしかたがない。
どうしたらかてるか考えた。
あしたはさい後の日、とにかくがんばろう。

【ある日の大和のけいこのメニュー】

(このページには東大和の短期講習での稽古メニューが全て記載されています)

全部で4時間のけいこです。(赤字)

《8月16日5日目》

いよいよさい後のたんきこう習の日がきました。さい後だと思ってせいいっぱいがんばりました。今日はしあいにもかてました。きのうの夜いろいろ考えてねらいすぎで手数がたりないことや、スタミナのことを心ぱいしすぎていたところをなおしました。そしてけいこがおわりました。

さい後に先生が5日間、きんちょうとふあんをのりこえてけいこをやり通した。みんな強くなっている。
がんばったことを自信に変えて、あきらめずにつづけなさいと言いました。ぼくは、ふだんのけいこがおわった時よりずっと たっせいかんがありました。今日はお母さんがむかえにきてくれました。急におなかがすいてごはんをたくさんたべました。

《じっさいのしあい》
7月かん東大会(写真多数あり)

《8月横はまカップねつでけつ場》

《9月しぶ内交りゅうじあい》(写真多数あり)

1回せん×(2年ぶりに東大和のR君と対決)

《さい後に》

ぼくは夏休みの間やれるだけやってみました。わざと心がどのぐらいせい長したか自分では、分かりません。【大和のみんなと】(写真あり)
なつやすみさい後のしあいでは、すごくくやしい思いをしました。
でもぼくはつづけていきます。
黒おびになるまでぜったいにあきらめません。今日からまたけいこにはげみます。(写真あり)

彼の夏休み自由研究レポートは以上で終了です。

彼は昨年夏に東大和へ自らの意志で出稽古に来るようになりました。

いつも支部内試合では東大和の選手達に負けていて、その恐怖感を克服したい思いからとの事でした。

2ヶ月 定期的に出稽古に通い昨年秋には、支部内交流試合で劇的な初優勝を遂げています。

今では3年生の東大和の生徒達ともライバル関係にあり、信頼関係があり、とても仲良しです。

彼のレポートを一語一句、間違いなく全てをブログに綴りました。

東大和道場への彼の思いを考えると凄く愛しいなと思います。

彼は自分が三軒茶屋道場で木曜日に指導していた時期に欠かさず自分の指導クラスにはいつも一番早くに道場に来ていました。

自分を見ると、にっこり微笑んでくれていました。

東大和へ来る時には彼はいつも緊迫した表情をしています。

それくらいに様々な思いや感情が彼の中にはあります。

今までなかなか勝てなかった選手達のところへ、強くなる為に自ら足を運ぶ決意をして、一年以上を本当に休まずに定期的に出稽古に来てくれています。

彼の今回のレポートの中にある、(後ろ廻し蹴り)(カカト蹴り)(肘打ち)(フェイントからの下突き)は全て自分が彼に教えた技です。

自分自身が使う技を彼が好んで信じて使ってくれている技です。

東大和の生徒達も同じ技を使います。

彼は色々 感じて挫折を繰り返し、時には涙を流しながら東大和道場に通ってくれています。

出稽古に来るようになり、日に日に変化を感じていたら昨年秋の支部内初級で初優勝をしました。

努力の賜物だなと感じて感動しました。

無口で時に、彼独自の世界観を見せてくれていますが、凄く素直で純粋な生徒です。

今から3年前に自分が横浜カップで優勝した際に、話し掛けに来た彼を片手に抱きながら写真を撮った記憶があります。

それから御家族の方々と一緒に大阪や茨城、千駄ヶ谷の東京体育館での全日本大会へは、仲間や先生方の応援に来てくれた際には自分の試合の応援もしてくれます。

自分が以前に木曜日の指導を東大和へ移る際に、最後の三茶の指導で彼は道場へ来るなり、最後の稽古になるのを理解して顔面蒼白になっていました…

凄く苦しかったですが、『これからもまた東大和に来てくれたら会えるし、ひたすら空手を続けなさい』と話したのを覚えています。

彼にはそんな様々な思いがあり、今もひたすら東大和道場に通ってくれています。

短期講習2日目以降に彼は三茶の自宅から、東大和道場への往復を一人で通いました。

事前にお母さんから『一人で往復をさせます』と伺っていました。

一人で辿り着いた彼は…4時間稽古をして、無事に一人で自宅に帰れるかを常に考えている様子を自分も明らかに察知しました。

稽古にも集中しきれず、緊張でその日の試合は全て負けました。

自宅から道場までは片道2時間近くになるかと思います。(電車の乗り換えは合計3回)

自分も稽古で疲れきった彼の帰路を凄く心配していました。

道場を出ましたと、お母さんへの御連絡をして待ちました。

そんな夏休みを経た彼は今では普通に自宅から東大和道場を一人で往復するのが当たり前になりました。

お母さんの彼に対する愛情を感じるとともに、この夏休みで逞しく新たな男の子へと成長を遂げた彼を自分も嬉しく思います。

全てが彼にとっての強くなる為の努力であり、空手の稽古なんだなと感じました。

生徒達の感情を色々感じて、それを察して外にも伝えていく事も自分のやれるべき事だなと考えていました。

極真空手を通じてこんな繋がりもあり出会いもある。

彼は中高生の時期も空手を続けていくと決めていて、将来的には一般選手権での活躍を夢観ているそうです。

自分は本当に感動しました。

もしかしたら将来、凄い選手になる事も充分にありえるなと思います。